2010年2月11日木曜日

BEARS 2010 : Computer Science & Energy



BEARS 2010で行われた、Computer Scienceと環境問題に関するパネルディスカッションのレポートです。

パネラーはバークレーの教授3人、Moderator(進行役)はSun Microsystemsの現CTOのGreg Papadopoulos(元MIT教授、Sunの前にはHPにも勤務)。

さて、ディスカッションが始まる前までは、Computer Scienceと環境問題、どのようにつながるかあまりイメージがわかなく、そこまでおもしろい話を期待してなかったのですが、意外や意外、そんな視点があったのかとComputer Scienceの様々な側面に気づかされました。

それぞれのパネラーの話を簡単に紹介します。

教授①:Serverの冷却問題
Googleのデータセンターに行った時のこと。今までに体験したことがないほどの強い空調(冷房)に衝撃を受けた。
cloud computing化が進んでいく流れにあって、Server側で発生する熱量の節約や環境に負荷を与えない冷却のプロセスについて、真剣に考えていかなくてはいけない。
補足:Googleの検索ボックスを使って一回検索をかける度にServer側で発生する熱量は、やかん一杯のお湯をわかす熱量と同じ、と言われています。

教授②:高機能は必要か
Computer Scienceの未来を考える時に、より高機能な製品やサービスが求められがちだが、それらは我々の社会にとって本当に必要なサービスなのか、一度立ち止まってよく考えなくてはいけない。
例えば、大学のキャンパス内において、カフェテリアでも、庭園でも、ありとあらゆるところで、簡単に大学のサーバにアクセスできること。このようなサービスは本当に必要なのだろうか?教室内で十分ではないのか?
高機能なサービスを提供しようとすればするほど、エネルギーは消費されていく。省エネを考える時代にあって、Computer Scienceは時代の流れと逆の方向へ向かってはいないか。

教授③:ComputerのIdling時間
他の電子機器と比べ、コンピュータのIdling時間は異様に長い。例えば電話などは、受話器を置いた後は節電モードになるが、コンピュータは使っていない時間もほとんど電源はつけっぱなしである。
Idling中に効果的に電力を節約してくれるようなパソコンの開発が必要ではないか。


おおまかな話としてはこんな感じでした。
cloud computingや高機能なMobileの未来についての講演の後、今度は別の視点から、まるで先ほどの講演の流れと逆のような視点をもってきて議論を喚起するやりかたは、さすがだな、と思いました。


さて、パネルディスカッションそのものもおもしろかったのですが、途中、パネラーが、OracleによるSunの買収をネタにして、司会者であるSunのCTO(以下Sunと表記)をいじってたのがおもしろく、会場は大爆笑。

教授①が、「Oracleでは電力の節約などを考慮に入れたデータセンター構築をすでに始めている、だってOracleはいい会社だからねえ」と、Sunに向けて発言。それを聞いたSunが、「あなたは何言ってるんだ?え?」と返すと、「ああ、ごめんごめん、Oracleはいけてない会社だったねえ。」と返し、Oracleに買われたことをおもしろく思ってないSunに対して、いじりが始まります。
Sunが「もうその話はいいから、次の質問にいきます!」と話を変えようとすると、教授②が、「じゃあ、君のところの社名、Sun Microsoftに変更する? なんてねえ。」とさらにいじりを重ね、会場は大爆笑。

世界のIT市場をリードする会社の買収合戦がまさにここシリコンバレーで繰り広げられてるんだなあということを改めて実感した瞬間でした。

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