2011年2月27日日曜日

2月のひとりごと


1月中旬ぐらいからすでに春の陽気のベイエリア。日中の日差しは強く、サングラスなしでは運転できません。
東海岸に住む友達から、「雪、、というか吹雪で、家から出られない、、」なんて聞いて初めて、「あ、、まだ季節的には冬という区切りだったんだ」と思い出す始末。

と、春に向けてすっかり安心していましたが、急に先週ぐらいから冷え込みだし、今週末はサンフランシスコに35年ぶりに雪が降るかも、なんて話がありました。

アパートのポットラックパーティではいつもより人が沢山集まるなど、みなさん、雪を敬遠して家に引きこもっているんだな〜という印象でしたが、結局雪は降らず。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2011/02/26/BAQA1HVCAQ.DTL
坂の多いサンフランシスコでの車の運転はかなり気を使いますが、それに雪が降ったらなんて想像すると、、かなり怖いので、降らないで良かったです。

ちなみに、少し北のシアトルですが、こちらも雪が降る事はほとんどなく雪慣れしていないため、去年の11月の大雪では坂道で止まらなくなる車が続出。
http://www.youtube.com/watch?v=rhZCyQ3emQg
シアトルに行ったことがある方ならおそらく知っているであろう、キャピタルヒルの坂です。

ブログの本筋とほとんど関係ないお話でした^^;

それではまた来月。

BEARS 2011: SPRING@BID


さて、先日Overviewを紹介したBEARS Conferenceから。

Berkeley Institute of Design / BIDは、ITを利用した様々な新しいサービスを提案している研究室です。
発展途上国での医療レベルを引き上げるために教育ビデオを作成しモバイルを通して配布してみたり、ストレス緩和に効果のあるテキストメッセージが送られて来るアプリケーションを開発したり、など。
その中で、移民が多いカリフォルニアならでは、おもしろいな〜と思ったのが、ゲームを通して発音を向上させよう、というプログラムでして、「SPRING:Speech and Pronunciation Improvement via Games」と名付けられたプロジェクトです。

◆学生さんのページ
http://www.cs.berkeley.edu/~anuj/Site/Home.html

◆研究の詳細が書かれたページ
http://www.cs.berkeley.edu/~anuj/Site/SPRING.html

昔から親しまれているシューティングゲームや音楽ゲームなどを改造して、画面に表示される単語を正しく発音できたら、ゲームのコントローラを正しく押した状態にすることができる、つまり正しく発音できないとゲームの先に進めないようにしています。

すでにベイエリアのいくつかの小学校で実験を行っており、カリフォルニア州の1/3を占めるヒスパニック系の移民を対象に、こういったゲームが発音向上の役に立つかどうか検証しているようです。
音声認識は、これからよりホットになる技術の一つ。その技術を使った新しいサービスも、色々と出てきそうです。

2011年2月23日水曜日

Android搭載タブレット


Android搭載のタブレットが明日発売になります。
BEST BUYで買えます↓
http://www.bestbuy.com/site/Computers-Promotions/Motorola%2BXOOM/pcmcat233400050016.c?id=pcmcat233400050016#

Verizonとの2年契約で599.99ドルだそうです。

BEST BUYに行く機会があれば、ちょっといじってこようかな。。

2011年2月17日木曜日

BEARS 2011: Overview


本日、BEARS 2011 Conferenceに行ってまいりました。
http://www.eecs.berkeley.edu/IPRO/BEARS/

詳細は後日アップしていきますが、まずは当日の大まかな雰囲気をお伝えします。


当日は、朝からあいにくの大雨。
今年一番最悪な天気でないかと思える日でして、多くの方が遅れてカンファレンス会場にやってきました。

例年以上に参加者が多いということで、I-Houseという会場のホールにて前半のカンファレンスは開催、それでも多くの立ち見が出るなど、大盛況。



まずは、バークレーの教授による研究室の取り組みの発表(企業への宣伝)です。
一番おもしろかったのは、検索のアルゴリズムに関する研究。「Where is a capital city in California?」という質問をGoogle で検索するとすぐに答えが得られるのに対し、「How many states are there in the U.S?」という質問に対しては検索で結果が得られないことがある、その理由は何か?、、、、という疑問をきっかけに、検索のアルゴリズムについて紹介していました。

さて、次は、お待ちかねのパネルディスカッション。

楽しみにしていたのですが、、、正直、とても期待ハズレでした。。
「モバイルの未来について」というタイトルで、VerizonやSamsungの方をパネリストに招いたディスカッション、さぞ白熱した議論が交わされるのかと思いきや、、
具体的な技術や製品についての議論はほとんどなく、理屈っぽいお話に終始。
人のモバイル端末利用を車の利用と比較して話してみたり、2050年にはこんな世界になっているなど空想上のお話だったり。
現在モバイル市場を牽引しているGoogleやAppleが参加していない時点で、そもそも面白い議論を期待してはいけないのかもしれませんが。


お次はランチライム。
カンファレンス参加者は、好きな研究室を選び、参加者達とネットワーキングをしながら昼食を食べることができます。

今回選んだのは「International Computer Science Institute」という研究室で、IT技術を使って世界をつなげていきましょう、という研究室です。要はネットワーキング技術を主に研究している研究室です。

ランチでは、同じ机に座ったカンファレンス参加者達と名刺交換。
Appleから来た女性に、「スティーブジョブズは今どうしてるの?」と聞くと、「あら、彼、会社で見かけるわよ」とのこと。
てっきり、体調不良で病院にでも入っていると思ってましたが。。ただ、ジョブズがいなくなるとAppleの株価が暴落すると言われているので、女性が本当の事を言っているかは不明ですが。
Ciscoから来た男性は、「こういうカンファレンスに参加して、うちの製品をクラウドのサービスにどう使えるか、経営陣にアドバイスするチームが最近できてね〜」とのこと。クラウド時代の製品開発は、サービスあってこそ、ということですね。

さて、ランチタイムを終え、ここからは自由に各研究室を回っていきます。


ITが社会にどのような影響を与えているかを研究しているBerkeley Center for New Media

建築、社会学など様々なバックグラウンドの人が集まり、社会の役に立つ新しいITサービスを提案しているBerkeley Institute of Design

環境に優しいハードの研究をしているCenter for Energy Efficient Electronics Science

などなどバラエティ豊かな研究室が多く、とても時間内には全て回りきれないほど。

学生達も熱心にプレゼンテーションをしてくれます。

帰りに外に出てはじめて、「あ、、、そういえば今日大雨だったんだ」と気づくほど、カンファレンス会場も研究室も熱気に溢れていました。

2011年2月10日木曜日

オープンソースコミュニティの運営について:JTPA講演会



1月14日、「オープンソースコミュニティの運営について」というタイトルでJTPA主催の講演会が行われました。

講演者の川口 耕介さんは米国Sun Microsystemsで様々なオープンソースプロジェクトに関わった後、2010年にオープンソースプロジェクトHudsonを業務にするInfraDNAを起業し、同年CloudBeesに買収されたという経歴をお持ちの方です。
※オラクルの方針と合わずSunを離れ、自分でオープンソースの会社を作ったんですけどね、というご説明もありました^^;

今回の講演では、世界中の多くの開発者を参加させるオープンソースプロジェクトを作るためのポイントについて、失敗したプロジェクト(GlassFish/JAXB)と成功しているプロジェクト(Hudson)を対比しながらご説明してくれました。

GlassFish/JAXBはSun時代に立ち上げたオープンソースプロジェクトだそうですが、結果的にオラクルの開発者(合併後なので、つまり内部の社員)しか参加しないという、全くオープンでないプロジェクトになってしまったそうです。
もちろんオラクルの開発者は優秀であるのですが、仕事ありきになってしまうため、イノベーションが発揮されないのが問題だと。
様々なバックグラウンドやアイデアを持った開発者を広く集めたいというオープンソースの本来の目的が達成されなかったとのことです。

そこで、今回成功したHudsonで、工夫したポイントとして、以下を挙げられていました。

①ダウンロード
最新版のダウンロードを簡単にすることが大事
良い例(iTunes):マックでアクセスしたらマックのソフトしかでないなど
ダメな例(Glassfish):ダウンロード箇所が複数あって、どこをクリックしたらダウンロードがはじまるかわからない。次の画面に移っても自動的にダウンロードが始まらず、さらにクリックしないといけない。。

②インストール
ダウンロード後のインストールはできるだけ簡易に。
→ダウンロードした後、説明書をみないと、インストールできない場合、ユーザが諦めてしまう場合も。

③ユーザサポート
ソフトウェア自身にフロントラインをサポートをさせること
→適切なエラー情報、ユーザが取るべきアクションを明示する
→エラーがでて調べても、2時間たっても解決できないと、こんなのやってられるか、となってしまう
→ユーザから開発者になってほしいので、エラー時にソースコードを見せるのも一案。何が起こっているか見せて興味を持ってもらう

④再利用性
ライブラリ群に分解すること。良くデザインされていないとだめで、コードだけでなくドキュメントも重要。
→全体は興味ないけど部品だけに興味があるという開発者をすくい上げる

⑤プラグイン
個々の機能をプラグインとして実装する
→共同作業より分業。同じ領域を共同開発するよりも隣接領域を手分けして開発できるようにする
→周りが何をしているか気にしないで没頭できるようにする
→地理的、タイムゾーンもばらばらなのでコミュニケーションに時間がかかる、人間同士も会ったこそなかったりする
..............forと(の間に()はあるべきかどうかだけでもめてかちんときてしまったり
→利点:他人のコードをみなくてよい、奇抜なアイデアを拒否しなくてよいためイノベーションが生まれやすい

⑥たまり場
開発者同士が交流できるたまり場が必要
→人が変わってもプロジェクトの継続性が保たれる、新しい開発者を養成できる

⑦言語
他の言語でプラグインを書けるようにする
→ユーザがUIから直接翻訳をsubmitできる仕組みがあれば最高

⑧リリースプロセス
リリース頻度をあげる
→バグ修正をユーザに早く届ける、プラグイン開発に必要な修正を早く届ける
→初期には特に有用

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オープンソースプロジェクトにおいて重要な基本は、開発者の参加を容易にすることですと強調されていました。
※誰もがコミッタになれるWikipediaなど