2010年2月24日水曜日

2月のひとりごと

今年が始まってそろそろ2ヶ月。
早いですね。

こちらカリフォルニアですが、シュワ知事の舵取りに金融恐慌が加わり、ついに州政府が破産しました。
その結果税金もあがり、我が家の旦那のお給料の源泉徴収額は。。悲しい金額になっております。。

そんな不況の中でも、ベンチャー企業に投資をするベンチャーキャピタルや投資家がいることがなんだか不思議です
(数は一時期よりかなり減っていますが)。
そしてなにより、最後は立ち直ると信じているのか何なのか、人々の中に悲壮感があまり感じられません。
シリコンバレーの失業率は10%を超えているのに。。

個人的な感想ですが、この不況で一番打撃を受けてるのは日本のような気がします。
アメリカはもともと人材の流動が激しいため、会社の状況にあわせて人を雇ったり切ったりするのに会社も人も慣れているように
思います。数年前にも、Sunが大量に人切りしたりしましたし。
今回の不況で大量に首を切っても、景気が少し上向きになったらまた大量に人を雇用して、会社自体は持ち直していくのかな、
と感じます。
一方で、終身雇用が前提のような日本では、大企業がばっさり人を切るということ自体、前代未聞の流れであり、
今後会社がどう持ち直していくか見えなく、悲壮感がより強い感じがします。。

アメリカが原因の経済破綻なのに、他国の方がより深刻な被害を被るなんて、少し腹立たしい気もしますね。

それではまた来月。

PIQL(performance insightful query language)


BEARS2010のポスターセッションから、PIQLという技術をご紹介します。

PIQL(performance insightful query language)とは、新しいQuery Languagの一つでして、コンパイルの際に、Queryのパフォーマンスを測定してくれます。
事前にQueryのパフォーマンスを測定しながら開発を行えることで、容易な拡張の実現および開発のコスト削減をしたい、というのが主目的のようです。

この技術にはGoogleが投資をしてくれているらしいです。
学生によると、この技術のコンセプト自体はもともとGoogleが持っていたもので、GQLという言語として開発されていたとのこと。
ただ、GQLではシンプルな構文しか使えなかったため、PIQLでは、SQLレベルの構文が使えるように開発中とのことです。
去年の終わりから開発を始めたため、安定化にはまだまだ時間がかかりそうだけど。。とのことでした。

Webにも説明が載っています。
◆概要説明:http://www.eecs.berkeley.edu/Pubs/TechRpts/2010/EECS-2010-8.html

こちらが質問するととてもうれしそうに説明してくれる学生の姿がとても印象的でした。

2010年2月23日火曜日

RAD Lab

カリフォルニア大学バークレー校の研究室、RAD Lab の紹介です。

http://radlab.cs.berkeley.edu/
こちらの研究室、今が旬のCloud Computingに関連したテーマを中心に、様々な研究をしています。
特に特徴的なのが、シリコンバレーにある多くの企業とコラボレーションをしているところ。

BEARS2010で紹介されていたのですが、現在コラボレーションしている企業だけでも、ざっと以下のようなところ。

シリコンバレーの思いつく限りのIT企業が並んでいる感じです^ ^;
日本の会社の名前もちらっと見えますね。

学生:研究資金を援助してもらえる上、技術開発の上で実際に企業のエンジニアからアドバイスをもらえる
企業:技術が完成したら、それを使える

一種、投資家とベンチャー企業のような関係に近い、ギブアンドテイクの関係がうまく生まれているようです。

日本では、大学の研究が世に出て実用化までされるというケースはそこまで多くないように思いますが、こちらでは、大学の研究こそまさに最先端であり、産学連携がとても盛んなようです。

また、おもしろいなあと思ったのは、明らかに競争相手である企業同士が、同じ研究室とコラボレーションをしているところ。
もちろん、資金援助対象の研究や学生は異なるのでしょうが、いやはや、オープンに競争をしている雰囲気が感じられて、ワクワクしますね。
企業としては、この技術はいい!と見込んで賭けた(資金援助した)学生に頑張ってもらおうという、賭け事レースのような(例えが悪いかもしれませんが)感じもします。

研究室側としては、まだまだコラボレーションする企業を募集中ということで、もし産学連携に興味があれば、この研究室にアプローチを取ってみるのは良いかもしれません。

次のエントリーでは、この研究室の研究の一つである、新しいデータベース言語について紹介します。

2010年2月11日木曜日

BEARS 2010 : Computer Science & Energy



BEARS 2010で行われた、Computer Scienceと環境問題に関するパネルディスカッションのレポートです。

パネラーはバークレーの教授3人、Moderator(進行役)はSun Microsystemsの現CTOのGreg Papadopoulos(元MIT教授、Sunの前にはHPにも勤務)。

さて、ディスカッションが始まる前までは、Computer Scienceと環境問題、どのようにつながるかあまりイメージがわかなく、そこまでおもしろい話を期待してなかったのですが、意外や意外、そんな視点があったのかとComputer Scienceの様々な側面に気づかされました。

それぞれのパネラーの話を簡単に紹介します。

教授①:Serverの冷却問題
Googleのデータセンターに行った時のこと。今までに体験したことがないほどの強い空調(冷房)に衝撃を受けた。
cloud computing化が進んでいく流れにあって、Server側で発生する熱量の節約や環境に負荷を与えない冷却のプロセスについて、真剣に考えていかなくてはいけない。
補足:Googleの検索ボックスを使って一回検索をかける度にServer側で発生する熱量は、やかん一杯のお湯をわかす熱量と同じ、と言われています。

教授②:高機能は必要か
Computer Scienceの未来を考える時に、より高機能な製品やサービスが求められがちだが、それらは我々の社会にとって本当に必要なサービスなのか、一度立ち止まってよく考えなくてはいけない。
例えば、大学のキャンパス内において、カフェテリアでも、庭園でも、ありとあらゆるところで、簡単に大学のサーバにアクセスできること。このようなサービスは本当に必要なのだろうか?教室内で十分ではないのか?
高機能なサービスを提供しようとすればするほど、エネルギーは消費されていく。省エネを考える時代にあって、Computer Scienceは時代の流れと逆の方向へ向かってはいないか。

教授③:ComputerのIdling時間
他の電子機器と比べ、コンピュータのIdling時間は異様に長い。例えば電話などは、受話器を置いた後は節電モードになるが、コンピュータは使っていない時間もほとんど電源はつけっぱなしである。
Idling中に効果的に電力を節約してくれるようなパソコンの開発が必要ではないか。


おおまかな話としてはこんな感じでした。
cloud computingや高機能なMobileの未来についての講演の後、今度は別の視点から、まるで先ほどの講演の流れと逆のような視点をもってきて議論を喚起するやりかたは、さすがだな、と思いました。


さて、パネルディスカッションそのものもおもしろかったのですが、途中、パネラーが、OracleによるSunの買収をネタにして、司会者であるSunのCTO(以下Sunと表記)をいじってたのがおもしろく、会場は大爆笑。

教授①が、「Oracleでは電力の節約などを考慮に入れたデータセンター構築をすでに始めている、だってOracleはいい会社だからねえ」と、Sunに向けて発言。それを聞いたSunが、「あなたは何言ってるんだ?え?」と返すと、「ああ、ごめんごめん、Oracleはいけてない会社だったねえ。」と返し、Oracleに買われたことをおもしろく思ってないSunに対して、いじりが始まります。
Sunが「もうその話はいいから、次の質問にいきます!」と話を変えようとすると、教授②が、「じゃあ、君のところの社名、Sun Microsoftに変更する? なんてねえ。」とさらにいじりを重ね、会場は大爆笑。

世界のIT市場をリードする会社の買収合戦がまさにここシリコンバレーで繰り広げられてるんだなあということを改めて実感した瞬間でした。

BEARS 2010 : Overview


本日、BEARS 2010 に行ってきました。
正式名称、Berkeley EECS Annual Research Symposium で、カリフォルニア大学バークレー校で毎年開催されるComputer Science系の技術カンファレンスです。

午前中、まずは、大学の教授によって、今後の技術の方向についての講演やパネルディスカッションがなされます。

deviceやmicroprocessorといったハードな話から、iPhoneを引き合いにだしたモバイルの今後の展望、さらにはcloud computingまで、幅広い範囲の話がされます。

午後は、各研究室において、学生によるポスターセッション(各学生が自分の研究内容をポスターにして展示、学生による説明が随時あり)が開催されます。参加研究室は15以上。興味のある研究室を自由に見て回ることができます。

学生の研究とあなどるなかれ。
多くの研究には企業スポンサーがついており、実際に企業に導入しながら研究が進められているという、まさに最新の技術かつ実用化の可能性が高い研究内容に触れることができます。

学生としても、この場を使って自分の研究をアピールしてより多くの企業スポンサーを獲得したいという思いがあるのか、説明にはとても熱がこもっており、また質問にもとても丁寧に答えてくれます。

また、休憩時間には、あちこちで名刺交換が始まります。
席にすわっているだけでも、「あなたはエンジニアですか?どこの企業ですか?」といった会話が始まり、お互いの専門内容について軽くトークして、気軽に名刺交換。


事前にregisterさえずれば誰でも参加可能、かつ参加費無料で、朝食&スナック&ランチまでついてくるこのカンファレンス。
是非、来年以降のシリコンバレーツアーに盛り込んでみてください。

次回以降のブログで、講演内容やポスターセッションの内容など、詳しく紹介していきます^ ^

2010年2月3日水曜日

craigslist


craigslistという掲示板を知っていますか?

世界の様々な地域のバージョンがあり、各地域ごとに、職の募集やルームメイトの募集、同じ趣味を持つ人の募集、中古品の販売など、
あらゆる情報が書き込まれる掲示板です。

ちょっとBay Area掲示板を使ってみましょう。
http://sfbay.craigslist.org/
①housingから「apt/housing」をクリック。
②search boxに、住みたい地域を入力。例えば、スタンフォードがある「Menlo Park」と入力。
③「has image」にチェックを入れると、写真つきの物件のみ表示してくれて便利。
④値段を設定。maxに$2,000と入れてみます。
⑤Search buttonクリック!

写真つきで、その地域にどんな物件があるか見られます。結構楽しいです。
ちなみに私は、今住んでいる家も、シアトルに住んでいた時の家も、ここで見つけました。

他にも、jobsグループにある、「internet engineers」をクリックすると、Bay Areaで募集中のWebエンジニアの情報が見られたり。

まあ、職については、雇う側から言わせると、craigslistを通してもあまりいい人材が集まらないので、エージェントを通したり大学の研究室の先生に情報を流したり、という方が、一般的みたいです。

また、物品の販売に関しては、詐欺の場合もあり、お金を振り込んだのに商品が届かない、ということもあるので、必ず現物を確認してからお金を払うなど、注意は必要です(*1)。


とはいっても、地域の現状をおおまかにつかむために、色々と活用できます。


半年前まで$1700だった家が$1500に値下がりしていると、まだまだ不動産のマーケットは回復していないんだな、とか。

職の中でも、accountingの募集が多いと、この地域で(とりあえず)就職するための一番有利なスキルは会計なんだな、とか。

Software engineer募集のページで、必須条件として、C++、MySQLなんて書いてあると、これらの職種につくために必要なスキルがわかり、また今自分にどんなスキルが足りないかが明確になったり。


Craiglist Tokyoバージョンもあるみたいですね。
http://tokyo.craigslist.jp/


他にもおもしろい使い方があれば、共有ください!


*1 ミュージカルのチケットを格安で買ったり、引っ越しの時にいらなくなった中古の家具を売ったりとか、ちゃんと活用している友達もいました。

2010年2月2日火曜日

カフェ:COCOLA

サンフランシスコには、つい立ち寄りたくなるかわいいカフェが沢山あります。

今日紹介するのは、COCOLAという、ケーキがおいしいお店です。
http://www.cocolabakery.com

Bart(電車)のPowell st が最寄り駅。
Market通り沿いにあるWestfield San Francisco Centerというショッピングセンターの4Fにあります。

甘すぎるアメリカのスイーツが苦手な人でも、ここのケーキは好きなはず。味が日本人好みのせいか、お客さんも日本人がとても多い気がします。。


休日はかなり混み合いますが、テイクアウトもできるので、是非行ってみてください。