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2011年4月26日火曜日

JTPA カンファレンス 2011:大澤 弘治さん


大澤さんはGlobal Catalyst Partners(GCP)というベンチャーキャピタルを設立され、現在はManaging Principalとして投資業務を行っていらっしゃいます。

大澤さんの講演内容として、以下に大きく3つまとめます。

①シリコンバレーは投資のメガトレンドが作られる場所
クリーンテック分野はのびており、Solar Valleyという言葉も出ている。現在は、基礎研究よりも5年ぐらいで結果が出るCapital Efficiencyが高い分野への少額投資が増えている。
また、SNSやモバイル分野への投資も盛んで、ITバブルが再来しそうだ。

②シリコンバレーから見た日本
シリコンバレーから見た日本は、20年前は強かった、特に半導体分野は強かった。今では韓国や台湾の企業の方が台頭している。
例えばTVであれば、アメリカでのシェア1位:Samsung 2位:LG 3位にやっとSONYがくる。PCも、HPとAcerが台頭、日本企業はすでに「その他」という扱いになってしまっている。Busiinessという切り口からみても、Samsungなどの韓国企業の今後の展開には期待が大きいが、日本企業の存在感は薄まっている。

また、シリコンバレーは60%が移民という場所だが、現地で採用されているのはインド人や中国人が多く、日本人の活躍は少ない。

③成功する起業家の条件
恐怖に打ち勝つ、正直、知性、あきらめない、チームプレイができる、明るい、という事をあげられていました。

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②については、こちらに暮らしていて特に感じることです。
TVに関しては、数年前まではSONY製品は一定のブランド価値を築いており、他の製品より高くてもSONYを買うという人は多かったようですが、現在ではSamsungのブランド価値もかなり上がっていますし、またとりあえず安ければ良いという人はLGへ流れます。

こちらで会う外国人のエンジニアは、インド人や中国人が中心。日本人の駐在員の方は多いですが、現地採用されている方の数は比較すると多くはありません。

と、こんな事ばかり書いていると悲しくなってきてしまいますが。。

2011年4月18日月曜日

JTPA カンファレンス 2011:テーブルセッション

JTPAカンファレンス、最後の時間は、シリコンバレーで働いている方、留学している方によるテーブルセッション。

それぞれのテーブルに分かれた参加者を好きに選んで、お話を聞く事ができます。

こちらtwitterで働いている丹羽さん。

学生時代から自分で会社を興したり、自分のプロダクトを持っている丹羽さん。
twitterへの転職のきっかけは、友人の紹介だったそうです。
就職のポイントとして、実際に自分で作ったツールなどを公開しておいて実績を作っておくことを挙げられていました。

アメリカはコネ社会なので、どんなにいい経歴があってもレジュメ一本で就職、というのはかなり難しく、まずは就職したい会社の知り合いを見つけることが重要。そのためには、地道にカンファレンスに参加したり大学のイベントに参加したりなど、自分の足で探していくしかありません。
また、IT系で言えば自分の能力を示せるプロダクトを公開していること、バイオ系で言えば有名雑誌に論文が掲載されていることなど、自分の能力をわかりやすく示せるものが求められます。


もう一人、Googleで働いている半谷さん。

Googleのデータセンタに関して色々教えてもらおうかと思ったのですが、やはりそこはトップシークレット。
全く教えてもらえませんでした^^;
エリックシュミットさんは意外と普通に会社敷地内を歩いていらっしゃったこと、でもあまりにオーラがすごいのですれ違う時にはちょっとよけて通ってしまう、、などといったラフなお話をしてくださいました。


しかし、このJTPAカンファレンス、学生さんの参加がかなり多いことにびっくり。

こちらで働いている方のお話を聞いて刺激を受ける学生さんが沢山いるといいですね。

2011年4月13日水曜日

JTPA カンファレンス 2011:シリコンバレーはもはや死語?


さて、JTPAカンファレンスでは、SFにオフィスを構えるIT会社で働く方が多く参加していました。

実は、今熱いのは、シリコンバレーと呼ばれるサウスベイではなく、サンフランシスコなのです。

事実、多くの日系IT企業がサンフランシスコにオフィスを構えています。
DeNA、グリー、サイバーエージェント等々。

カンファレンス次の日のホームパーティーでも、実際にSFで働いていたり起業されたりしている方々はみなさん、「今はサウスベイよりSF。機能が集約している。」とおっしゃっていました。


ポイントは以下にあるようです。
①移動しやすい(BARTやBusなどの公共交通充実)
②生活しやすい(デパート、スーパー、レストランが密集)
③コネクションが作りやすい(SF開催のカンファレンス多数)
④弁護士事務所、会計事務所等のビジネス機能が集中


一世を風靡したシリコンバレーと呼ばれるサウスベイ地区ですが、移動が不便だな〜とは常々思っていました。
基本的には車がないと移動はほぼ不可能。CalTrainやBARTも出ていますが、駅の近くが栄えているわけではなく、そこから他の交通機関を利用しないとオフィスへ行くことは難しいです。
おいしいレストランやショッピングモールもありますが、それぞれ離れたところに点在しており、これまた車で移動しないといけません。SFのように、駅を降りてすぐ、ちょっと歩いてたら素敵なレストランやお店がといった生活スタイルではありません。

③のカンファレンスについては、もちろん今でも、サウスベイの大学やイベント会場を借りて多くのカンファレンスが行われていますが、IT業界ではおそらく一番人気が高いであろう、Google I/OとOracle World(Java One)は、サンフランシスコの会場での開催になっています。

④の事務所については、私も日系の会計事務所などはサウスベイに集中していると思い込んでいましたが、実は今ではSFに日系会計事務所が集中してきています。


投資をしてくれるVCは今でもサウスベイに多く事務所を構えていますが、ベンチャー企業自体の都合で言えば、シリコンバレーとよばれたサウスベイに会社を構えるメリットを感じる企業は少なくなっているようです。


前の記事でも書きましたが、そもそもこちらでシリコンバレーという言葉はアメリカ人にはほとんど通じません。
それよりも、「ベイエリア」という言葉をもって、技術系ベンチャー起業や研究が盛んな、バークレー〜南のサンノゼぐらいまでをさします。


ちなみに、ITと並んで盛んなバイオの世界では、SF周辺のベイエリア一帯を差して「Biotech Bay」なんて呼んでいる場合もあるそうです。
http://www.dclifesciencejobs.com/hotbed.aspx?regionid=11


こんな記事を書いていると、、、、、このブログのタイトルもそろそろ、「ベイエリアからのお便り」に変えようかなとか思ってきてしまいます。。。

2011年4月1日金曜日

JTPA カンファレンス 2011:バイオベンチャー起業


JTPAカンファレンスから、金島 秀人さんをご紹介します。

お医者さん→Stanford大学の客員研究員→バイオベンチャー創立メンバー→IPO→セミリタイヤ→現在は企業コンサルタント、という経歴の持ち主。


シリコンバレーでバイオに携わる日本人の間ではかなり有名なお方です。


ご存知の方も多いかと思いますが、バイオベンチャーはプロダクトができるまでかなりの時間がかかります。ですので、必ずしもプロダクトができていることがIPOの条件ではなく、研究段階でIPOする企業は珍しくありません。

金島さんが創立メンバーとして参加されたバイオベンチャー、システミックス社が創設された頃は、シリコンバレーではバイオのバブル全盛期。
次から次へとバイオベンチャーが起こされ、可能性を認められた企業はプロダクトなしで次々に上場、その後プロダクトができないままクローズしたり他社に吸収されていった企業が多数いた時代です。

システミックス社もそのような会社の一つでして、実質プロダクトはできなかった、とおっしゃっていました。
それでも、バブル時期にIPOした創立メンバーのストックオプションはすごい価値があったらしく。。
その後、あっさりとセミリタイアされたそうです。

現在はバイオコンサルタントをされているということで、てっきりバイオや医療関係の企業をお客様としているのかと思いきや、IT企業をお客様にしていることが多いそうでして。

IT企業が、バイオや医療の世界にどのように貢献できるか、どのようなプロダクトを今後出していけばいいかといった内容についてアドバイスをされているとのこと。

講演の次の日のホームパーティーには、ITからバイオからビジネス専門の方まで様々なバックグラウンドの方が来ていましたが、全ての方と幅広いディスカッションができる知識の広さに、脱帽しました。

2011年3月24日木曜日

BEARS 2011:モバイルの未来



BEARSカンファレンスのパネルディスカッションでは、モバイルの未来について、というテーマでディスカッションが行われました。

Overviewでも書きましたが、全体を通して概念的なお話に終始しましたが、いくつか大事なキーワードがありましたので、書いておこうと思います。

①モバイルにおける勝利のポイントは、若者世代をつかむこと
新しいものに飛びつくのは若者、若者世代に浸透した製品は強い。若者にしかわからない感覚がある。

実は、シリコンバレーで成功したIT企業の創業メンバーの中には、必ずと言っていいほど、創業時点で20代の若者が入っています。
Facebook、Google、Yahoo、Apple。。

これは、若者のトレンドは若者が一番良くわかっているということの表れです。

また、インターネットニュースの浸透、モバイルやタブレットの浸透によって、今後、紙媒体の新聞や本は消滅するか?という問いに対しては、「紙媒体に親しんできた世代がいる限りなくならない。逆に言えば、生まれた時から紙媒体よりもインターネットに親しんだ世代ばかりになれば消滅する可能性がある」と言われていて、若い世代に何を使わせていくかが大きなキーワードになっています。

②「必要性」を作りだす
今話題になっているモバイルやソーシャルネットワークサービスというのは、一見、生活に必須のものではないが、若いうちから使い続けると、いつの間にか、なくてはならない必需品になってしまう。
①の「若者」キーワードとかぶりますが、若い人間に飛びつかせて、生活の一部としてサービスを浸透させてしまう事が大事である。

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個人的には、これ以外にも「アプリ開発のオープンさ」という開発者視点を入れるべきだなあと思いましたが、GoogleもAppleもいないディスカッションでしたので、この点については触れられず。

iPhoneの爆発的な普及の背景には、iPhoneアプリの開発をオープンにしたことが挙げられるでしょう。
自分が学生の頃、一世を風靡したDocomoのiModeはいずこへ。。日本の携帯は早い段階で高機能アプリを実現していましたし、お財布ケータイなどいまだに特殊な機能を備えているにも関わらず、世界市場から置いてかれてしまった大きな原因の一つは、アプリ開発をオープンにしなかったことが原因と言えると思います。

また、近年Androidが伸びている大きな理由としては、iPhoneアプリよりも、「早く」「簡単」にアプリリリースできるという開発者側の理由があってこそ。

5月にGoogle主催のカンファレンスがありますので、そこではどんなお話がされるのか期待です。
残念ながらチケットは、発売数時間で完売!参加はできませんが、後日アップされる資料から拾おうと思います。
http://faius.blogspot.com/2010/10/save-date-for-google-io-2011.html
昨年はサプライズでAndroid無償配布があったそうですが、今年はどうなることやら。

2011年3月21日月曜日

BEARS 2011: E3S



BEARSカンファレンスで訪れた研究室の一つ、Center for Energy Efficient Electronics Scienceの紹介です。

https://www.e3s-center.org/

コンピュータサイエンス×環境問題は、近年ますますホットになっているテーマ。
クラウドコンピューティングにおける最大の関心事の一つは、環境に優しいデータセンタを建設・運営していくことにあると言っても過言ではありません。

データセンタの問題については、コンピュータサイエンスだけでなく、電子工学、建設工学等、様々な分野からのアプローチが必要となるので、UCバークレー単体の研究室としてではなく、様々な研究室や外部機関とのコラボレーションが特に活発なようです。

E3Sでも、スタンフォードやMITなどと共同研究を行っています。

当日の発表ではデータセンタそのものについての学生の発表はありませんでしたが、データセンタ関連のコネクションを探すなら、ここをあたってみるといいかも?

2011年3月20日日曜日

JTPA カンファレンス 2011:Overview

東日本大震災が起こってから毎日、NHKとTBSのUstream中継に釘付けでした。
これ以上被害が拡大しないことを願うばかりです。

各国の知り合いから心配や激励のメールをもらう度に、日本が多くの方に支えられていることを嬉しく思います。
こちらにいながら、自分にできることをしていこうと思う毎日です。

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先週末、サンノゼ州立大学で開催された「JTPAシリコンバレーカンファレンス」に行ってきました。
http://www.jtpa.org/event/svtour/000551.html

JTPAは、シリコンバレーで働く日本人、またこれからシリコンバレーで働く事を目指す日本人を支援する団体です。
出席者の半数ぐらいの方が、このカンファレンスのためにわざわざシリコンバレーを訪れており、気合いの入った方達が多く参加していました。
※東日本大震災の数日後ということで、飛行機が飛ばず参加できなくなった方もいらっしゃいましたが会場はほぼ満員でした。


午前中は、シリコンバレーで成功者と呼ばれる方による講演会です。

名古屋大学医学部で助手を務めた後、Stanford大学の客員研究員に転職、研究室で開発した技術をもとに教授がシステミックス社を設立する際に創設者グループのひとりとして参加し、システミックス社は後に売却。それを契機にセミリタイアし、現在はバイオメディカル・コンサルタントとして各方面で活躍中の金島 秀人さん。


三菱商事の情報産業グループでアジア各地のbusiness developmentを行われた後、米国パロアルト支店に異動し、投資を通じてベンチャー企業とアジアの大企業とを結ぶ業務を行い、年間数百億円のビジネス創出に貢献、三菱商事を退職後、シリコンバレーの著名起業家であるKamran Elahianらと4人でベンチャーキャピタル、Global Catalyst Partners(GCP)を設立し、現在Managing Principalとして投資業務を行っている大澤 弘治さん。


午後は、GoogleやAppleやtwitter等で働いている方のパネルディスカッション、ネットワーキングを目的としたテーブルごとの座談会など盛りだくさんで、あっという間の一日でした。


最近の若者は元気がないとか安定志向が強いなどと言われますが、これからアメリカの大学院留学→現地で就職、を夢見る多くの学生にも会えましたし、日本から離れたシリコンバレーの地で日本人として誇りを持って働いていらっしゃる沢山の方にお会いすることができ、多いに刺激を受けました。


今回のJTPAのイベント、基本はカンファレンス当日の参加のみですが、開催日が近くなるとFacebookのページが立ち上げられ、そのページを通して、様々な「おまけ」イベントへの参加が可能になります。

カンファレンス数日前には、希望者向けに、Oracle・Google・Apple・Twitter・Facebook・Nvidiaなどの現地IT企業、スタートアップ会社が集まるインキュベーター施設やVC、CyberAgentAmerica・DeNA・GREEなどシリコンバレーに進出している日本のネット企業、への見学ツアーが組まれ、カンファレンス参加者は自由に参加することができます(個別にグループを組んでの訪問なので定員は限られているので、常にFacebookページをチェックする必要あり)

カンファレンス次の日には、講演いただいた金島先生の自宅訪問(スタンフォードにある豪邸)ができたり、シリコンバレーの著名ブロガーである渡辺千賀さんとカフェでお話する時間があったりなどなど。


Facebookの便利さを痛感。


カンファレンス詳細については、BEARSの更新もまだ残っているため、4月に回させていただきます。

2011年3月8日火曜日

BEARS 2011: 産学連携と学生採用


さて、BEARSで会った他企業の方から聞いた、産学連携と学生採用の関係について書きます。

以前のエントリーで産学連携のしくみについて書きましたが、バークレーの産学連携にはいくつかのタイプがあります。

コンピュータサイエンスの研究室で最も多いタイプは「Gift」。

これは、donation(寄付)にあたり、企業と共同研究するわけでもなく、開発した技術を企業にライセンシングするわけでもなく、ただ単に企業が研究室の研究に援助金を出すしくみです。
最初このしくみを聞いた時に、「企業側のメリット」がよくわからず、なぜこれが一番多いタイプか疑問でした。


で、カンファレンスで会った、実際にdonationをしている企業の方に聞いてみました。
donationの目的って何ですか?と。

すると実は、「採用費」と考えている企業が多いようです。

donationをすることで、企業名を学生に知ってもらえ、興味を持ってもらえる可能性が高まる。
donationをすることで、研究室とのつながりが強化でき、学生に優先的にリクルーティングできる(採用情報を直接研究室内メールに流してもらえたりなど)。


コンピュータサイエンスの世界は、新しい技術がすごいスピードで次々と出て来るため、のんびりと共同研究やライセンス契約の検討をしている時間はありません。
※バイオや医療などの世界では、開発に時間がかかるのと、一度開発されると市場に長くとどまるため、こういった共同開発やライセンスも意味を持つみたいです。

それに、現在話題のCloud Computingは、研究の世界が主導ではなく、完全に企業主導。
消費者のニーズをすくいあげて、時には作り出して、スピード命で市場に出していくことが求められます。

となると、企業にとって一番欲しいのは、研究内容ではなく、「優秀な人材」。

バークレーのコンピュータサイエンスの研究室とのコネクションを強化し、企業をアピールして、優秀な学生に来てもらうことが、企業にとって最もメリットがある、と考えているようです。

donationは、比較的少額からできますので、採用関連で興味があればぜひ。。

2011年2月27日日曜日

BEARS 2011: SPRING@BID


さて、先日Overviewを紹介したBEARS Conferenceから。

Berkeley Institute of Design / BIDは、ITを利用した様々な新しいサービスを提案している研究室です。
発展途上国での医療レベルを引き上げるために教育ビデオを作成しモバイルを通して配布してみたり、ストレス緩和に効果のあるテキストメッセージが送られて来るアプリケーションを開発したり、など。
その中で、移民が多いカリフォルニアならでは、おもしろいな〜と思ったのが、ゲームを通して発音を向上させよう、というプログラムでして、「SPRING:Speech and Pronunciation Improvement via Games」と名付けられたプロジェクトです。

◆学生さんのページ
http://www.cs.berkeley.edu/~anuj/Site/Home.html

◆研究の詳細が書かれたページ
http://www.cs.berkeley.edu/~anuj/Site/SPRING.html

昔から親しまれているシューティングゲームや音楽ゲームなどを改造して、画面に表示される単語を正しく発音できたら、ゲームのコントローラを正しく押した状態にすることができる、つまり正しく発音できないとゲームの先に進めないようにしています。

すでにベイエリアのいくつかの小学校で実験を行っており、カリフォルニア州の1/3を占めるヒスパニック系の移民を対象に、こういったゲームが発音向上の役に立つかどうか検証しているようです。
音声認識は、これからよりホットになる技術の一つ。その技術を使った新しいサービスも、色々と出てきそうです。

2011年2月17日木曜日

BEARS 2011: Overview


本日、BEARS 2011 Conferenceに行ってまいりました。
http://www.eecs.berkeley.edu/IPRO/BEARS/

詳細は後日アップしていきますが、まずは当日の大まかな雰囲気をお伝えします。


当日は、朝からあいにくの大雨。
今年一番最悪な天気でないかと思える日でして、多くの方が遅れてカンファレンス会場にやってきました。

例年以上に参加者が多いということで、I-Houseという会場のホールにて前半のカンファレンスは開催、それでも多くの立ち見が出るなど、大盛況。



まずは、バークレーの教授による研究室の取り組みの発表(企業への宣伝)です。
一番おもしろかったのは、検索のアルゴリズムに関する研究。「Where is a capital city in California?」という質問をGoogle で検索するとすぐに答えが得られるのに対し、「How many states are there in the U.S?」という質問に対しては検索で結果が得られないことがある、その理由は何か?、、、、という疑問をきっかけに、検索のアルゴリズムについて紹介していました。

さて、次は、お待ちかねのパネルディスカッション。

楽しみにしていたのですが、、、正直、とても期待ハズレでした。。
「モバイルの未来について」というタイトルで、VerizonやSamsungの方をパネリストに招いたディスカッション、さぞ白熱した議論が交わされるのかと思いきや、、
具体的な技術や製品についての議論はほとんどなく、理屈っぽいお話に終始。
人のモバイル端末利用を車の利用と比較して話してみたり、2050年にはこんな世界になっているなど空想上のお話だったり。
現在モバイル市場を牽引しているGoogleやAppleが参加していない時点で、そもそも面白い議論を期待してはいけないのかもしれませんが。


お次はランチライム。
カンファレンス参加者は、好きな研究室を選び、参加者達とネットワーキングをしながら昼食を食べることができます。

今回選んだのは「International Computer Science Institute」という研究室で、IT技術を使って世界をつなげていきましょう、という研究室です。要はネットワーキング技術を主に研究している研究室です。

ランチでは、同じ机に座ったカンファレンス参加者達と名刺交換。
Appleから来た女性に、「スティーブジョブズは今どうしてるの?」と聞くと、「あら、彼、会社で見かけるわよ」とのこと。
てっきり、体調不良で病院にでも入っていると思ってましたが。。ただ、ジョブズがいなくなるとAppleの株価が暴落すると言われているので、女性が本当の事を言っているかは不明ですが。
Ciscoから来た男性は、「こういうカンファレンスに参加して、うちの製品をクラウドのサービスにどう使えるか、経営陣にアドバイスするチームが最近できてね〜」とのこと。クラウド時代の製品開発は、サービスあってこそ、ということですね。

さて、ランチタイムを終え、ここからは自由に各研究室を回っていきます。


ITが社会にどのような影響を与えているかを研究しているBerkeley Center for New Media

建築、社会学など様々なバックグラウンドの人が集まり、社会の役に立つ新しいITサービスを提案しているBerkeley Institute of Design

環境に優しいハードの研究をしているCenter for Energy Efficient Electronics Science

などなどバラエティ豊かな研究室が多く、とても時間内には全て回りきれないほど。

学生達も熱心にプレゼンテーションをしてくれます。

帰りに外に出てはじめて、「あ、、、そういえば今日大雨だったんだ」と気づくほど、カンファレンス会場も研究室も熱気に溢れていました。

2011年2月10日木曜日

オープンソースコミュニティの運営について:JTPA講演会



1月14日、「オープンソースコミュニティの運営について」というタイトルでJTPA主催の講演会が行われました。

講演者の川口 耕介さんは米国Sun Microsystemsで様々なオープンソースプロジェクトに関わった後、2010年にオープンソースプロジェクトHudsonを業務にするInfraDNAを起業し、同年CloudBeesに買収されたという経歴をお持ちの方です。
※オラクルの方針と合わずSunを離れ、自分でオープンソースの会社を作ったんですけどね、というご説明もありました^^;

今回の講演では、世界中の多くの開発者を参加させるオープンソースプロジェクトを作るためのポイントについて、失敗したプロジェクト(GlassFish/JAXB)と成功しているプロジェクト(Hudson)を対比しながらご説明してくれました。

GlassFish/JAXBはSun時代に立ち上げたオープンソースプロジェクトだそうですが、結果的にオラクルの開発者(合併後なので、つまり内部の社員)しか参加しないという、全くオープンでないプロジェクトになってしまったそうです。
もちろんオラクルの開発者は優秀であるのですが、仕事ありきになってしまうため、イノベーションが発揮されないのが問題だと。
様々なバックグラウンドやアイデアを持った開発者を広く集めたいというオープンソースの本来の目的が達成されなかったとのことです。

そこで、今回成功したHudsonで、工夫したポイントとして、以下を挙げられていました。

①ダウンロード
最新版のダウンロードを簡単にすることが大事
良い例(iTunes):マックでアクセスしたらマックのソフトしかでないなど
ダメな例(Glassfish):ダウンロード箇所が複数あって、どこをクリックしたらダウンロードがはじまるかわからない。次の画面に移っても自動的にダウンロードが始まらず、さらにクリックしないといけない。。

②インストール
ダウンロード後のインストールはできるだけ簡易に。
→ダウンロードした後、説明書をみないと、インストールできない場合、ユーザが諦めてしまう場合も。

③ユーザサポート
ソフトウェア自身にフロントラインをサポートをさせること
→適切なエラー情報、ユーザが取るべきアクションを明示する
→エラーがでて調べても、2時間たっても解決できないと、こんなのやってられるか、となってしまう
→ユーザから開発者になってほしいので、エラー時にソースコードを見せるのも一案。何が起こっているか見せて興味を持ってもらう

④再利用性
ライブラリ群に分解すること。良くデザインされていないとだめで、コードだけでなくドキュメントも重要。
→全体は興味ないけど部品だけに興味があるという開発者をすくい上げる

⑤プラグイン
個々の機能をプラグインとして実装する
→共同作業より分業。同じ領域を共同開発するよりも隣接領域を手分けして開発できるようにする
→周りが何をしているか気にしないで没頭できるようにする
→地理的、タイムゾーンもばらばらなのでコミュニケーションに時間がかかる、人間同士も会ったこそなかったりする
..............forと(の間に()はあるべきかどうかだけでもめてかちんときてしまったり
→利点:他人のコードをみなくてよい、奇抜なアイデアを拒否しなくてよいためイノベーションが生まれやすい

⑥たまり場
開発者同士が交流できるたまり場が必要
→人が変わってもプロジェクトの継続性が保たれる、新しい開発者を養成できる

⑦言語
他の言語でプラグインを書けるようにする
→ユーザがUIから直接翻訳をsubmitできる仕組みがあれば最高

⑧リリースプロセス
リリース頻度をあげる
→バグ修正をユーザに早く届ける、プラグイン開発に必要な修正を早く届ける
→初期には特に有用

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オープンソースプロジェクトにおいて重要な基本は、開発者の参加を容易にすることですと強調されていました。
※誰もがコミッタになれるWikipediaなど

2011年1月17日月曜日

BEARS 2011


来月ついに開催されます、BEARS2011。
UCバークレーのElectrical Engineering and Computer Scienceのdepartmentによって開催される、一年のうちで一番大規模なカンファレンスの1つです。今年も楽しんで参加してこようと思います。
※昨年参加した様子は、2010年2月のエントリーをご覧ください→http://faius.blogspot.com/2010_02_01_archive.html

昨年のテーマは、「From Cloud to Sensors」。半導体からサービスに関してまで、幅広くカバーしていました。
クラウドに関する発表もありましたが、それも全体の一部。

それが、今年のテーマは、「Bringing intelligence to tomorrow's client/cloud platform」。
クラウドに関連した技術、プラットフォーム、製品、サービス、、などなど、クラウドを中心にすえて、カンファレンスが進められそうです。楽しみですね。

パネルディスカッションも見所の一つ。
昨年は、環境問題に対して、Computer Scienceが考えるべき課題について、議論が行われました。
今年は「Who Owns the Future of the Mobile Client?」
モバイルに関する話しも沢山聞けそうですね。

午後は、好きな研究室を回って学生の発表を聞いたり質疑応答できる時間になりますので、特にこの研究室を見て来てほしい!こんな質問をしてきてほしい!など、ありましたがご要望ください。

↓当日のアジェンダは以下。
http://www.eecs.berkeley.edu/BEARS/

2010年11月17日水曜日

Cloudstock


友達から紹介されました。
http://www.cloudstockevent.com/

クラウド関連の開発者向けのイベントのようです。

Googleが参加しているのが大きいポイントかと。
クラウドという名前のイベントは数あれど、Googleが参加しないイベントが多いので。

多くの企業のセッションが用意されており、各社のクラウド関連の製品、使っている技術について一通り知るのに良さそうです。

2010年11月8日月曜日

SAS


今期、統計ソフトSASの授業を受けました。

SASは、アメリカ企業では特に導入事例が多く、今後も使われる機会が多いソフトウェアとして、様々な企業の人達が授業を受けていました。

UCBやUCSFで働く大学関係者、Wells Fargoなどの金融分野の人、顧客から最近問い合わせが多いからとの理由でOracleなどのデータベースエンジニアの人、などなど、バラエティ豊かなクラスメートでした。

先生は、Computer ScienceのDegreeとMBAを持ち、銀行のシステム部門で働いた後、現在はフリーのITコンサルタントをしている方。


SASは、ベイエリアで職を得るにあたって、履歴書に書けると良いスキルの一つと言われているようです。

そんな先生から、SASエンジニア向けのカンファレンスの案内があったのでご案内します。
http://support.sas.com/events/sasglobalforum/2011/index.html
ラスベガス開催ですが。。
仕事より楽しんじゃいそうですね^^;

2010年11月5日金曜日

Meet up finder


http://www.meetup.com/find/

テクノロジー関連のMeet up イベントを探すなら、上記サイトが便利。


例えば、サンフランシスコ周辺でのCloud computing関連のイベントを検索。


近いところだと、11/11にOpen Could meetupというイベントがあります。Cloud computingに使えるオープンソースについて話す場、と書いてあります。


出張などでこちらに来る際に検索してみると、出席可能なイベントが見つかって良いと思います。
カンファレンスとは違い、もっとラフですが、ネットワーキングにおすすめです。

2010年11月4日木曜日

RSA conference


セキュリティ関連のカンファレンス、RSA conferenceの情報です。
http://www.rsaconference.com/index.htm

日本でも今年の9月開催されたみたいですが、アメリカでは来年の2月@サンフランシスコ。

サンフランシスコ市で働いている人から招待チケットをもらったので、興味がある方がいらしたら差し上げますのでご連絡ください。

2010年10月18日月曜日

Cloud Camp


Cloud Computingに興味がある人が集うMeet up イベント、Cloud Campの紹介です。
http://www.cloudcamp.org/

カンファレンスのように決まった講演やセッションがあるわけではなく、Cloudに興味のある人達の交流会というもう少しラフな位置づけのようです。

スポンサー企業にMicrosoft、Cisco、Google、HP、AmazonなどのIT企業から流通系の企業まで、かなり多くの企業が名を連ねており、自分たちでセッションの提案もできるという、なかなかおもしろい形態。

世界中で開催されるようですが、日本での開催がないのが残念ですね。

いっそスポンサー企業に名を連ねて、日本での開催を促すとか?!

2010年10月11日月曜日

Save the date for Google I/O 2011



Google主催のカンファレンス、Google I/Oでは、Androidモバイルが無償配布されるらしいですね。
http://code.google.com/intl/ja/events/io/2010/

来年は5月10日、11日に開催されるそうで、まだ申し込みは始まっていないとのこと。
今年は大人気で、エントリー受付が始まってすぐに定員いっぱいになり、参加できない人も多かったのだとか。

興味のある方はぜひ、申し込み開始をチェックしてみてください。

2010年10月6日水曜日

Oracle Open World

http://www.oracle.com/us/openworld/splash/index.html

今期受けているJava授業のクラスメートが

「Oracle Open Worldに顔出そうよ」

と言ってきました。

あれ、君はAndroid向けのアプリ開発をしていると言っていなかったっけ?なんでデータベース?


「去年までのJava Oneだよ」


おおっ!そういうことか。


JavaをダウンロードしようとしてOracleのホームページが表示され、戸惑った経験がある方もいるのではないでしょうか。


じゃあ時間が合えば顔出そうかなと思っていたところ、直前になって、友達から連絡。


「Googleが参加を取りやめたって。Googleが来ないなら、行っても意味ないからやめる」


え?なんでやめたの?


「OracleがGoogleを訴えた。」



今年8月にOracleがGoogleを著作権侵害で訴え、現在でもまだ両者は係争中です。
内容は、「AndroidがJavaの特許と著作権を侵害している」とのこと。


Android開発の際にSun出身のエンジニアを使いOracleが所有するJavaプラットフォームの著作権を侵害した、またAndroidはオープンソースとして公開されているがJavaプラットフォームはオープンソースではない、という主張のようです。


Androidの普及に乗じてOracleがGoogleからお金を取りたい意向のようで、開発者からしたらOracleに良い印象を持たないようですが、裁判という観点ではOracle側がJavaの著作権を所有しているのは明らかであり、Googleは無視するわけにはいかないようです。

今後の動きに注目です。

2010年4月6日火曜日

Cloud connect event:おまけ


Expoでは、色々お土産をもらいました♩

イベントに参加した人は、LinkedInというソーシャルネットワークサービスの中で、Cloud Connect というグループに参加することができ、ネット上での議論に参加することもできます。


今回は、Expo参加のみでしたが、エンジニア同士の交流会や企業の幹部向けの講習など、他にも様々なイベントに参加することができます。費用はイベントごとにかかるので全部参加するとかなりの出費、また一週間丸々時間を使うことになりますが、お時間と費用が許す方は、次回、是非参加してみてください。