2011年3月8日火曜日

BEARS 2011: 産学連携と学生採用


さて、BEARSで会った他企業の方から聞いた、産学連携と学生採用の関係について書きます。

以前のエントリーで産学連携のしくみについて書きましたが、バークレーの産学連携にはいくつかのタイプがあります。

コンピュータサイエンスの研究室で最も多いタイプは「Gift」。

これは、donation(寄付)にあたり、企業と共同研究するわけでもなく、開発した技術を企業にライセンシングするわけでもなく、ただ単に企業が研究室の研究に援助金を出すしくみです。
最初このしくみを聞いた時に、「企業側のメリット」がよくわからず、なぜこれが一番多いタイプか疑問でした。


で、カンファレンスで会った、実際にdonationをしている企業の方に聞いてみました。
donationの目的って何ですか?と。

すると実は、「採用費」と考えている企業が多いようです。

donationをすることで、企業名を学生に知ってもらえ、興味を持ってもらえる可能性が高まる。
donationをすることで、研究室とのつながりが強化でき、学生に優先的にリクルーティングできる(採用情報を直接研究室内メールに流してもらえたりなど)。


コンピュータサイエンスの世界は、新しい技術がすごいスピードで次々と出て来るため、のんびりと共同研究やライセンス契約の検討をしている時間はありません。
※バイオや医療などの世界では、開発に時間がかかるのと、一度開発されると市場に長くとどまるため、こういった共同開発やライセンスも意味を持つみたいです。

それに、現在話題のCloud Computingは、研究の世界が主導ではなく、完全に企業主導。
消費者のニーズをすくいあげて、時には作り出して、スピード命で市場に出していくことが求められます。

となると、企業にとって一番欲しいのは、研究内容ではなく、「優秀な人材」。

バークレーのコンピュータサイエンスの研究室とのコネクションを強化し、企業をアピールして、優秀な学生に来てもらうことが、企業にとって最もメリットがある、と考えているようです。

donationは、比較的少額からできますので、採用関連で興味があればぜひ。。

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